医療機器の評価を目的とした動物試験に関する一般的な考慮事項(産業界及びFDAスタッフのためのガイダンス(以下FDA文書))
翻訳に当たって
監訳者を代表して
黒澤努(鹿児島大学)
“General Considerations for Animal Studies Intended to Evaluate Medical Devices
Guidance for Industry and Food and Drug Administration Staff
医療機器の評価を目的とした動物試験に関する一般的な考慮事項
産業界及びFDAスタッフのためのガイダンス(以下FDA文書)“
が2023年3月28日付でFDAより発出された。本FDA文書は2015年10月14日に発出された循環器医療機器に関する同様な文書の上書き(すなわち、前文書を取りやめ本FDA文書に循環器医療機器に関しても改訂する)であるとされている。この背景としてFDA近代化法案が2022年12月29日に成立したことが考えられる。このFDA近代化法ではそれまで新薬ないし新医療機器開発における前臨床試験で義務付けられていた動物試験に関しての考え方を見直し、前臨床試験および動物試験という文言を非臨床試験(nonclinical tests)に変更した。またこの非臨床試験の定義づけを行っている。
NONCLINICAL TEST DEFINED.—For purposes of this section, the term ‘nonclinical test’ means a test conducted in vitro, in silico, or in chemico, or a non-human in vivo test that occurs before or during the clinical trial phase of the investigation of the safety and effectiveness of a drug, and may include animal tests, or non-animal or human biology-based test methods, such as cell-based assays, microphysiological systems, or bioprinted or computer models.
要するにこれまで動物試験が中心であった安全性試験を代替法でも行えること、およびその代替法の詳細を規定している。一部の動物実験反対論者はこれで動物試験は行わなくなったなどと主張しているが、それは誤りで、この本文をみるとわかるように“may include animal tests”となっていて、動物試験も容認されている。これはすでに3Rsが提唱され始めた頃の考え方と何ら変わることなく、動物実験は他の方法で目的が達成できるのであればそちらに置換(Replace)するということが法的に規定されたということである。すなわち米国政府は3Rsの大原則をFDAの新薬開発の安全性試験に法的に盛り込んだということである。
新薬の開発では動物試験のいくつかは代替法に置換される可能性がある。これまでもコンピューターを用いて構築されたデータベースから新薬候補を絞り込むということは行われてきていたし、培養細胞を用いた安全性試験法は多数開発され、OECDが国際的に容認する方法も公表されていることから米国政府もそれに従ったこととなろう。
そこで問題は医療機器の安全性の確保である。医療機器の素材に関する安全性試験において培養細胞を用いた方法などは新薬と同様に行われていて、実際医療機器の生物学的臨床的評価の国際標準ISO10993においては代替法に関する規定も増加している。ISO10993ではそのパート2Animal Welfare Requirementにおいて3Rsが強調されていて、Replacementは明確に定義されている。さらに動物試験と代替法を実施する順番まで規定していて、まずは代替法を実施して、それで明確でない場合に動物試験を行うということまで規定されている。
我が国でこそ医薬品産業規模は医療機器産業規模を圧倒的に凌駕しているが米国では医療機器産業も底堅い規模であり、重要産業とみなされている。米国における医療機器産業は国際的には他の国々を圧倒しており、今後も他国の追随を振り切って独り勝ちしそうな勢いである。とくに経済的に優位に立つ国々への医療機器の輸出は米国の重要施策のひとつであり、今後もその政策に変更を行うような様子は全く見られない。しかし、医療機器の開発において新薬の開発とは異なり、実験動物を用いた研究、安全性試験の重要性というか必然性は誰にでも理解できることであり、そのために何らかの指針が必要となったものと考えられる。
要するに国際的な動物実験ないし動物試験の縮小の波と、先端的な医療機器の開発における動物試験の重要性を考え、実務的にどのようにすべきかをFDAとして指し示す必要があり、本FDA指針を発出したものと考えられる。とうぜん動物試験は引き続き行われるので、その際の実験動物福祉をどのように担保するかが主要な内容となっている。本FDA指針を見ればわかる通り、動物試験を行うとなれば3RsのRefinementが強調され、その際の実験動物の苦痛の軽減、福祉の増進をどのように行うかが主要テーマである。一般的な実験動物飼養に関してはこれまでの動物福祉法および関連指針を踏襲している。しかし、実験動物医学を専攻する我々にとってはRefinementの主要部分である獣医学的ケアをどのように行い、われわれ獣医師はどの様な考え方に立って、実務を行って行くかに関心が集まる。実際本FDA指針にもあちこちに獣医学ないし獣医師のかかわりに関する記述がある。
米国でだされた指針であり、FDAのwebsiteには原文が公表されているので、そちらを参照することで実務的には何ら困ることはないものと思われる。しかし、邦文化してみると英文からは伝わらなかった文書の意味、意義などを容易に理解できるだけでなく、文章理解の速さが異なることもあり、邦文化は実務的には好都合なことが多いことは他の文献で経験されているところである。今回は実験動物医学の専門家、ならびに実験動物医学の研鑽を積もうとしている方々を主たる読者として翻訳事業を日本実験動物医学専門医協会(JCLAM)の事業として行った。しかし、本FDA指針は医療機器にとどまらず新薬開発においても動物を用いた研究に携わる方々の理解促進に役立つだけでなく、医学、獣医学などには関与しない分野の動物実験を行う際の倫理的思考を熟成させるのにも有効であろう。さらに実験動物技術を駆使して実務を行っている、実験動物福祉の最前線にいらっしゃる実験動物技術者の方々にも是非一読していただきたい文書である。
本FDA文書は私が議長を務めているISO/TC194 WG3においても動物福祉要求(ISO10993-2 Animal Welfare Requirement:2022)の国際標準文書の改訂に大きな影響を与えるものであり、我が国においても、この文書を通じて国際的動物福祉の実務を理解していただけることを期待している。
以下に翻訳チームのリストを掲げその労を讃えたい。
廣瀬 直毅 大阪大学
井上 知紀 テルモ株式会社
高島 宏昌 株式会社ボゾリサーチセンター
山添 裕之 株式会社住化技術情報センター
浅野 淳 鹿児島大学
黒澤 努 鹿児島大学
【医療機器の評価を目的とした動物試験に関する一般的な考慮事項〜産業界及びFDAスタッフのためのガイダンス】
文書出版日 2023年3月28日
ドラフト発行日 2015年10月14日
この文書は2010年7月29日に発行された“産業界及びFDAスタッフのためのガイダンス:心血管機器のための動物試験に関する一般的な考慮事項”を改訂したものである。
この文書の請求はCDRHanimalstudies@fda.hhs.covへ
機器および放射線健康センター
食品および薬品管理局(FDA)
米国健康および人サービス省(USDHHS)
前書き
パブリックコメント
当所熟慮のために読者は電子的コメント及び示唆をいつでも投稿できる https://www.regulations.gov
書面でのコメント投稿は 文書管理スタッフ、FDS. 5630 Fishers Lane, Room 1061,(HFA-305)、Rockville, MD 20852すべてのコメントは文書番号 FDA-2015-D-3419と指定する。
コメントは次回本文書改訂ないし更新するまで当所により機能することがない可能性がある。
追加の文書のコピー
追加の文書のコピーはインターネットで。
このガイダンスのコピーを受け取りたい場合はCDRH-Guidance@fda.hhs.govに電子メールにて請求することができる。
文書番号1802とガイダンスの完全な名称を請求時には記載すること。
目次
I.序文
II.概要
III範囲
IV.動物安全性試験を実施する必要性を判断する際の考慮事項
V.人選
VI.試験の計画と実施
A.試験デザイン
(1)試験の目的
(2)動物モデルの選択
(3)サンプルサイズとグループ分け
B.試験系のモニタリング
(1)処置中のモニタリング
(2)処置後の回復とモニタリング
(3)生存中のモニタリング
(4)予期せぬ罹患と死亡
C.死後評価方法
(1)死後画像化
(2)剖検および肉眼的組織評価
(3)組織学的評価
D.検査および対照品の特性評価
VII. 試験施設の選択
VIII. 動物飼養
A.動物検疫と馴致
B.飼料、飲水及び基本的飼育
IX.記録と報告
X.医療機器の市販前申請のための動物試験報告書の作成
A.エグゼクティブ サマリー
B.最終試験報告書
(1)生存中の獣医師報告書
(2)病理報告書
(3)その他の報告書・様式
付録A 最終動物試験報告書の記載例
文献(脚注内)
(訳注:脚注内に示された文献を一覧として文末にまとめた)
医療機器の評価を目的とした動物試験に関する一般的な考慮事項〜産業界及びFDAスタッフのためのガイダンス
産業界および米国食品医薬品局 (Food and Drug Administration) スタッフのためのガイダンス本ガイダンスは、このトピックに関する食品医薬品局(FDAまたはAgencyと呼称する)の現在の考え方を表明する。どのような人の権利も確立するものではなく、FDAや一般市民を拘束するものではない。適用される法令や規制の要件を満たす場合は、代替アプローチを使用することが可能である。代替アプローチについて議論するには、タイトルページにリストされているこのガイダンスを担当するFDA職員または担当部署に連絡すること
I. 序文
FDAは、市販前申請の根拠を与えるために医療機器の安全性を評価することを目的とした動物試験のデザイニング、実施、および結果の報告に関与する医療機器のスポンサー、試験施設、およびその他の関係者を支援するために本ガイダンス文書を作成した。これらの動物試験は、通常、機器の安全性の初期的証拠を提供するものであり、これには、機器のパフォーマンスおよび取り扱い、ならびに生体で使用された場合の機器の生物学的な効能が含まれるであろう。このガイダンスにある推奨は、現在の審査業務を反映し、動物試験データを含む医療機器の提出書類の一貫性を促進し、効率的な審査を促進することを目的としている。
一般的に、FDAのガイダンス文書は、法的強制力のある責務を確立するものではない。その代わり、ガイダンスはトピックに関するFDAの現在の考え方を記述しており、特定の規制または法的要件が引用されていない限り、推奨としてのみ見なされるべきである。FDAのガイダンスにおけるshouldという単語の使用は、何かが提案または推奨されているが、必須ではないことを意味する。
II. 概要
生体試験の設定は一般的に、当初の医療機器が生体システムとどのように協働するか、機器の生理学的、病理学的、および毒性学的効果、並びにあるかもしれない生体システムが機器に対して及ぼす影響の最初の評価を提供する。動物試験は医療機器の市販前申請を支援するために良く行われる。動物試験を含む市販前申請を支援することを意図した非臨床試験は、優良試験所規範(GLP)法に従わなければならない。1,2 GLP法はFDAへの市販前申請の一部として、提出される安全性データの品質と整合性を確認することが意図されている。3
市販前申請の支援に関して提出される動物試験の主要な目的は医療機器のパフォーマンスと取り扱い4を含む、安全性の証拠を申請者が提供するためである。注意すべき点は、多くの場合、埋植機器あるいは侵襲的機器だけに限らず、ある特定の機器のパフォーマンスと取り扱いは複雑に安全性と関連している点である。FDAは動物試験が安全性の評価だけでなく複数の目的を持つことができるものと承知している。例えば、動物試験を実施することの二次的目的として、機器の効能の評価あるいは考え方の根拠及び運用の原則を証明することを評価できるようにすることなどがある。製造者はまた、デザインの確認及び要求される検証に適合するかを支援するために動物試験を実施することもある。5
医療機器の安全性を支援するために当所に提出される動物試験はGLP法に準拠しなければならない。しかし、このガイダンスの意図は、GLP法の準拠時に動物試験に求めることをすべて記載することではない。GLP法の適用はある特定の動物試験の各々の事実や状況に依存することもあるであろう。GLP法準拠のための読者の試験ないし、読者の動物試験の種々の側面に関する特定の質問がある場合は、Q-submissionの手続きを通じてFDAからのフィードバックを読者が求めることを推奨する。6
このガイダンスでは適当な動物試験代替法がない場合には、市販前申請の機器を支援するために行われる動物試験に関して一般的な考え方のアウトラインを示す。このガイダンスは動物試験を行う人の資格情報、試験の計画と実施手順を含み、さらに適切な動物モデルの選択、試験のモニタリング、試験の評価だけにとどまらない動物試験の種々の要素の推奨を提供する。このガイダンスはまた、試験施設7 の選択、動物飼養、記録と報告書並びにどのようにしてFDAに提出するか、市販前申請のための動物試験報告を準備するかに関する推奨も提供している。
FDAは適用可能であれば、試験における動物の使用、置換、削減並びに苦痛軽減8,9,10 である試験動物の“3Rs”の原則を支持している。FDAはスポンサーがもし適切で、十分で、検証済みで実施可能な動物無の試験方法を希望するのであれば、Q-submission プロセスを通じて、当所に相談することを奨励する。Q-submission プロセスを通じて、FDAは提案された代替法が動物試験法との等価性の評価が行えるか否かについて、考慮する意志がある。11 FDAはまた、保証された動物試験であるか否かについて動物試験のデザインに関するフィードバックをQ-submission プロセスを用いて得ることを奨励する。さらに、動物試験をデザインする場合、対照の十分性、侵襲のタイミングと経路、バイアス軽減法(例:ブラインド法、ランダム化法、対照の使用、生物学的反応の予想される強度に基づくサンプルサイズ、失ったデータの報告方法、統計学的考察が明確に述べられているか)を考慮することが重要である。12 FDAは市販前申請を支援する動物試験の各要素に関して明確にするため、事前申請(Q-submissionの一種である)をスポンサーが提出することを推奨する。
FDAは、実験動物のケアを司る他の関連法令、規則、政策通知があることを承知している。13,14,15,16,17,18 FDAは米国(U.S.)の動物、植物健康査察サービス(APHIS)、農務省(USDA)及び国立健康研究所(NIH)と交わした、米国における実験動物の適切なケアと福祉を促進するための各機関の責任について遵守することを支援する、理解に関する文書(MOU)を維持している。19
III. 範囲
このガイダンスの推奨は連邦食料、薬品及び化粧品法(FD&C Act)の201条(h)で定義されているヒトに使用することを目的とした機器に関する条文を引用している。このガイダンスはFDAへの市販前申請に関して、パフォーマンスと取り扱いを含む、機器の安全性の証拠を提供することを目的とした動物試験に適用される。20 このようなタイプの申請には機器例外研究(IDE)申請、市販前承認申請(PMA)、市販前通知(第501条(k))、人道的機器例外(HDE)申請、あるいはDe Novo分類要求(訳注:それまでに開発された対照とすべき医療機器が全く存在せず、対照試験が困難な新規医療機器に対して適用される申請)がある。このガイダンスは変更したり、いずれの機器の特有の最終ガイダンスにとって代わるものではないが、機器特有のガイダンスとして推奨を増強することを意図している。
このガイダンスはまた、機器の使用の可能性があるか否かや機器の物理的ないし化学的性質の最初の評価を決定するために行われる基礎探索的な研究には適用しない。さらに、このガイダンスは動物規則の下で行われる動物試験に関連した法的要求を変えることもしないし、適用することもしない。21 最後にこのガイダンスは他の省庁の法律および政策通知を述べることを意図していない。
IV. 動物安全性試験を実施する必要性を判断する際の考慮事項
以下は、スポンサーが市販前申請を支援するために動物安全性試験を実施すべきかどうかを決定する際に役立つであろう一般的な考慮事項のアウトラインである。
- その機器について既知の故障様式と以前に特定されたリスク、この機器のタイプに一般的に起因すると考えられるリスク、類似の市販機器の市販後情報など、関連するすべてのソースを検討するリスク分析をすること。22 市販後の情報は、出版された文献および製造業者およびManufacturer and User Facility Device Experience (MAUDE) databaseを使用することで検索できる。23
- 実行可能な範囲で最終完成形の機器を使用して、ベンチトップの上での評価可能なリスク試験をすること(最終完成形の機器には、パッケージングや滅菌(該当する場合)を含む、「市販される」機器のすべての製造プロセスが含まれる)。 FDA は、市販前申請を支援する動物試験を検討する前に、リスク分析中に特定された潜在的な危害を評価するために、最終完成形の機器を使用した非臨床ベンチトップ性能試験を完了することを推奨する。
- リスク分析により、代替方法では適切に対処できない潜在的な安全性の懸念をさらに評価するためにそのような試験が必要であることが示唆された場合のみ、動物試験の実施を検討すること。 スポンサーが動物試験を実施すべきかどうかはっきりしないときには、FDA は Q-Submission プロセスを利用して、非臨床試験アプローチ全体について FDA にフィードバックを求めることを推奨する。
- 機器のタイプに対応する動物モデル(つまり、文献に記載されているモデル、または同様の機器の許可または承認を支援するために使用されているモデル)が確立されていない場合、該当する場合、我々はスポンサーに対して次のことを推奨する。
- 使用目的、相対成長率、および手順上のアプローチの特徴について一般的に使用されている実験動物種の解剖学および生理学(血管造影、X 線撮影、コンピュータ断層撮影 (CT) スクリーニングなど)を評価すること。
- 一般的な実験動物種の入手可能性と有用性を判断するには、経験豊富な実験動物獣医師に相談すること。
- Q-Submission プロセスを使用して、リスク分析で推奨される動物試験の全部または一部に合理的な動物モデルを使用することを妨げる重大な課題、及びヒトでの臨床使用前に機器の安全性を支援する情報を収集するための代替アプローチの可能性について、当局と協議する。この議論の一環として、スポンサーは、動物試験が実行不可能であることを示す入手可能な情報を含め、入手可能なシミュレーション、死体試験、臨床情報などの代替策を提案すべきである。FDAは一般的に、動物実験を実施しない十分な正当な理由としてコストを考慮しないが、市販前規制活動には最小負担原則を適用する。24
FDA は、動物試験の構成方法や実施方法が不明瞭な場合、スポンサーに対し事前提出書を提出することを推奨する。 FDA は、FDA に意見を求める具体的な質問を含む動物試験デザインの詳細な提案書を事前提出に添付することを推奨する。
V. 人選
FDA は、慎重に計画され実施された動物試験は、機器の市販前申請を裏付ける有用なデータを提供する可能性が高いと考える。 この点において、動物試験は適切な資格と訓練を受けたチームによって計画され、実施される必要がある。 GLP規範の下では、非臨床試験 26の開始前に、特に、試験の技術面の進捗を直接監督27させるために、関連する教育、訓練、経験を持つ試験責任者 25 を任命する必要がある。
さらに、GLP規範は、品質保証ユニット (QAU) の使用も義務付けている。 品質保証ユニット職員は、試験の指導および実施に従事するスタッフから独立している。28 動物試験の 品質保証ユニットは、独立した請負業者、あるいは、試験施設組織内の他の部門で雇用されていることもある。
FDA はまた、試験動物の人道的なケアを確保するために、動物試験チームに熟練した臨床獣医学的スタッフを含めることを推奨する。29 動物試験には、工学、病理学、放射線学、外科、実験動物学などの専門分野の専門知識を持つ研究者からの意見も有益となる可能性がある。たとえば、感覚運動機能の検査には、特定の神経学かつまたは行動に関する専門知識が必要である。動物モデルには、独自の外科的アプローチが含まれる、あるいは、試験チームの一員として訓練を受けた獣医外科学的な専門知識を持つことが望ましい解剖学的制限がかかる可能性もある。
FDA は、動物試験に適用される可能性のある試験従事者の適切な訓練と経験について、他の関連するガイド、規制、政策にも採用されていることに留意している。30, 31, 32 ,33, 34
VI. 試験の計画と実施
GLP規範の下では、動物試験は、試験の目的とすべての方法を明確に示す計画書に従って実施されなければならない。35 計画には、FDA が試験を再構築できるのに十分な説明が提供される必要がある。
FDA は、動物の反応のばらつきを著しく増大させる有意な学習曲線を示す in vivo または in vitro の情報が存在する場合、動物安全性試験を実施する前に探索的動物試験を実施することを推奨する。 これは、調査員の訓練や機器への慣れ、または機器の配置や許容差における固有の課題などの要因によって引き起こされる可能性がある。
A. 試験デザイン
使用目的と機器の提案されたラベル (つまり、使用説明書) を反映する臨床状況を 、動物環境が(可能な限り)シミュレートするように動物試験をデザインすることを、FDAは推奨する。 GLP規範の下では、動物試験は、スポンサーによって承認され、試験責任者によって署名および日付が記入された試験計画書に基づいて行われなければならない。36 試験が米国外で実施される場合は、同等の署名済み試験計画書を用意する必要がある。 37
FDA は、一般に、同様の機器について報告されているエンドポイント、時点、および方法が利用可能な場合は、スポンサーがそれを使用することを推奨する。 以下の場合、スポンサーは、新しいエンドポイント、時点、および方法の特定を検討する必要がある。
- 同様の使用目的を有する類似の機器の試験で以前に使用されたものとは異なる試験時点および目的を評価する必要性を示唆する機器の特徴。あるいは
- 異なる、あるいは追加的な評価時点または方法の使用を示唆する新しい指標。
試験で収集されたすべてのデータとデータの解釈をFDAがより完全に理解できるように、試験計画書にはデータの収集や所見の報告を制限する記述を含めるべきではない。
動物試験中に収集されるデータの品質を確保するために、FDA は試験のバイアスを制限することを推奨する。38 バイアスまたはバイアスの認識を最小限に抑え、ばらつきを制御するために、FDAは以下のような実験方法の原則を取り入れることを推奨する。
- 動物の選択と手技的なバイアスを制御するためのランダム化法。
- 評価バイアスを制御するためのブラインド/マスキング法。
- 知覚バイアスを制御するために複数の観察者の使用。
- 精度を高め、ばらつきを減らすための実験デザインの選択 (つまり、ブロッキング法、層別化法、かつ/またはファクトリアル・デザイン(要因計画))。
- 陽性対照、陰性対照、かつ/または偽対照群を含める。
- 測定誤差を最小限に抑えるために、機器および/または装置の校正の確実な実施 。および
- 利益相反する試験関係者からの寄付を最小限に抑える。
(1) 試験の目的
a. 装置/手順の安全性リスク
試験で評価する具体的なリスクを決定するためのリスク分析(つまり、ベンチテスト、機器デザイン、探索的試験、文献レビューを通じて機器に関連する特定されたリスク)を試験責任者が検討することを、FDAは推奨する。 試験責任者は、同じ使用目的の機器のタイプについての既知のリスクも考慮する必要がある。
機器または機器のタイプについて特定されたリスクに対処するように試験目的をデザインすることを、FDA は推奨する。 受け入れ基準は、各試験目的に対処する科学的根拠に基づいて作成される必要がある。 これらの試験では、有効性が二次的な目的になる可能性がある。
b. 機器のパフォーマンスと取り扱い
FDA は、機器の安全性を評価するためには、関連するパフォーマンスと取り扱いパラメーターの試験が不可欠であると考える。 したがって、機器のパフォーマンスと機器の取り扱いが機器器の全体的な安全性プロファイルにどのように寄与するかについて取り組むための試験目的を試験計画に含めることを、FDA は推奨する。 たとえば、加熱、冷却、または機械的破壊によって組織を切除することを目的とした装置の安全性を評価する試験には、手順が安全に実行できることを実証するために、標的組織の切除成功の評価を含める必要がある。 FDA は、機器の配送、埋植、かつ/または使用のすべての段階を確実に特定し、評価することによってこの問題に対処することを推奨する。 たとえば、機器が外科的に設置するものであれば、外科的挿入部位の解剖学的な地点から設置される位置に至るまでに行われるすべての段階を評価する必要がある。
機器のパフォーマンスと取り扱いに関する試験結果を報告する場合、結果と機器の潜在的な安全性問題を理解するのに十分な詳細が必要である。 FDA は、機器のパフォーマンスと(柔軟性、押し込みやすさ、視認性、トルク特性、よじれ、曲がり、漏れ、使いやすさ、外科的な設置位置などの)取り扱いパラメーターとの半客観的なスコアリングを可能にする評価スケールを作成することを推奨する。 評価基準には、必要に応じて、機器の準備から配置あるいは使用、さらには取り外しや再展開までの段階が含まれる必要がある。我々は、 各パラメーターに対して半定量的な評価方法を使用することを推奨する (たとえば、1 ~ 4 のスケールの場合、1 = 不良、4 = 優良)。 受容性を判断するために使用されるスコア (合計スコア、パラメーター別、またはその両方の組み合わせ) は、先験的で、科学的根拠に基づいて確立される必要がある。 この情報は試験計画書に記載しておく必要がある。
c. 局所的および全身的影響
医療機器は、生体システムに対して局所的および全身的な影響を与える可能性がある。 これには、機器かつ/または送達システムによって引き起こされる可能性のある遠位での生理学的影響かつ/または組織への影響が含まれる。 たとえば、頸部領域の迷走神経の混乱は、胃腸の拡張や徐脈のような悪影響を引き起こす可能性がある。 試験には、リスク評価の中で特定するのであるから、組織の構造と機能に対して局所的にも全身的にも潜在的な悪影響を評価する目的が含まれている必要がある。
(2) 動物モデルの選択
動物とその関連する環境的および生理学的特性というものは、臨床条件をシミュレートする最良の試みを提供するための試験条件を規定するものである。39 選択した動物モデルの適切性を裏付ける科学的情報が必要である。 場合によっては、特定の機器のタイプに対しては確立された、あるいは受け入れられている動物モデルが存在しない場合がある。 選択された動物モデルは、試験の特定の目的に対処できる必要がある。 スポンサーは、科学的に受け入れられている疾患の動物モデルが存在する場合、その使用を検討する必要がある。 選択された動物モデルに関する FDA のフィードバックは、Q-Submission プロセスを通じて取得できる。40
(3) サンプルサイズとグループ分け
動物の数と実験グループ分けについては、GLP 試験のデザインを正当化するために他のデータが利用できない場合 (サンプルサイズやグループ分けなど)には、信頼性と結果に関する何らかの情報をえるための探索的試験をした後にデザインする必要がある。41 試験では、 予測結果と意味のある解釈ができる最小の動物数を用いる必要がある。 これには、適切な実験制御の選択、潜在的な実験交絡因子と最適な観察間隔の考慮など操作が含まれる。
動物試験には固有のばらつきがあることを認識し、サンプルサイズは試験の目的を達成するのに十分なものである必要がある。 動物の登録数が少ないと、データの解釈が困難になる、データの欠落、予期せぬ動物の死亡、またはデータの外れ値などのデータ交絡因子が発生するリスクがある。
FDA は、サンプルサイズの計算 42,43 を実行するか、探索的試験に基づいて動物の数を推定することを推奨する。 サンプルサイズの計算に役立つ考慮事項は次のとおりである。
- 探索試験、同様の機器を使用した以前の試験、または関連した出版されている試験からの標準偏差を決定すること。
- 実験のばらつきと誤差を最小限に抑えるために、適切な数の対照動物を使用すること。
- 臨床的に有意な処置群と対照群の差を決定すること。および
- 動物間および動物内のばらつきを減らすために、均一な動物(品種/系統、性別、年齢、体重)を使用すること。
B. 試験系のモニタリング
FDA は、動物試験計画が、その機器と手順に適した現在の獣医学的なケアの基準に従うことを推奨する。 試験責任者は、試験施設の獣医学的スタッフと協力して、試験の各段階で予想される有害イベントを監視および管理するための事前に特定しておいた計画を作成する必要がある。 加えて、動物の反応は予測できないことがある。 発生するすべての有害イベントに対処できるようにモニタリングする必要がある。 このようなモニタリングは、人道的な理由だけでなく、自然発生的な状態と機器関連のイベントを区別するのに役立つということからも重要である。
多くの動物試験には、麻酔と鎮痛が必要な手順が含まれている。
麻酔/鎮痛の計画は、動物に瞬間的または軽度以上の痛みや苦痛を引き起こす可能性のあるあらゆる処置で用いられる。 試験責任者は、麻酔および鎮痛計画を立てる際44 には、実施する処置のタイプと同様に、動物の種、年齢、体重に応じた適切な薬剤と投与量が用いされるように、獣医師と相談する必要がある。 また、このことは、潜在的な交絡因子が試験データに混入することを防ぐことにも役立つ。
痛みは、創傷治癒、行動、代謝、身体システム機能(免疫、肺、心臓、胃腸、泌尿器など)を含む多くの生理学的システムに悪影響を与える可能性がある。45 特定の実験手順の期間やその後に動物が経験するかもしれない痛みのタイプや範囲を予測しておく必要がある。 これにより、適切な鎮痛薬の使用、補助的な治療手段、介入かつ/または人道的安楽死の開始基準などを含む計画を獣医師が考案することが可能になる。 起こりうる痛みの種類を予測することで、効果的に痛みを管理するために必要な評価の頻度とタイプもわかる。
(1) 処置中のモニタリング
生理学的パラメーターの収集(または記録)を伴う麻酔中の適切な生理学的モニタリングは、適切に管理された動物試験の重要な側面である。 FDA は、心拍数、呼吸数、酸素飽和度、呼気終末 CO2、体温、血圧などのバイタルサインを追跡し、麻酔処置中一定の間隔で記録することを推奨する。 画像検査、血液ガス測定、あるいは特定の臨床病理検査(乳酸、ブドウ糖、ヘマトクリット/ヘモグロビン、または活性化凝固時間など)などの追加的モニタリングが保証されたものかどうかを検討する。 すべてのモニタリング情報は、造影剤またはその他の機器関連物質の使用と同様に、機器の挿入、埋植、展開、または使用のタイミングと関連付け、麻酔かつ/または手術の記録に記載する必要がある。
(2) 処置後の回復とモニタリング
スポンサーは、麻酔処置中および麻酔処置直後の実験動物に対する現在の標準的なケアに従う必要があります。46 可能な限り、ヒトの臨床でのケアを再現する必要がある。 動物の痛み、低体温/高体温、血液量減少、精神状態の変化を監視する必要がある温度かつ/または補液介入を含んだ潜在的な合併症に対処し、機器と処置に適した鎮痛計画がうまくいくように、獣医師とともに、あらかじめの標準操作手順をつくる必要がある。多くの場合、複合的な鎮痛計画が最も効果的でなる。 試験実施中の混乱を避けるために、これらの計画は試験を開始する前に策定しておく必要がある。
(3) 生存中のモニタリング
動物が試験処置から完全に回復しているが、機器に関連したリスクをモニタリングする必要がある期間については、動物が活動している摂食している時間帯に少なくとも 1 日 2 回観察することを、FDAは推奨する。 異常な行動や臨床徴候が認められた場合には、試験獣医師に速やかに通知する必要がある。亜急性および慢性試験期間中の異常な臨床所見に対処するためには、事前に特定の計画を策定する必要がある。
毎日の評価で考慮すべき重要なパラメーターには次のものが含まれるが、これらに限定しない。
- 一般的な外観。
- 食欲。
- 精神機能。
- 呼吸数、呼吸パターン、呼吸努力。
- 姿勢、歩き方。および
- 排尿と排便。
FDAはまた、獣医師に相談することと、体重モニタリング計画を立てることを推奨する。 動物の定期的な観察の補助として身体スコアリングを含めることを検討する。47,48
試験に創傷被覆材の交換、画像化、臨床病理学的データの収集、またはより高度な診断を含む生存中のモニタリング操作が含まれる場合、スポンサーは最大限の効率を得るために計画書を作成する必要がある。 化学的拘束を必要とするデータ収集活動をグループ化すると、取り扱いのストレスも最小限に抑えられる可能性がある。 このような場合、FDA はデータ影響しない化学的拘束の計画を作成することを推奨する。 イヌやヒツジのような一部の動物は、化学的拘束を必要とせずにこれらの活動に従順になるように条件付けできる場合があるが、ブタなど他の動物では条件付けがより難しい場合がある。
X 線撮影、コンピュータ断層撮影、磁気共鳴画像法かつ/または蛍光顕微鏡的検査のような画像化手法は、機器の安全性 (移動や構造的完全性など) を評価するのに役立つであろう。 In vivo 機器視覚化データは、機器の安定性 (空間位置など) の情報も提供する。
試験でモニタリングしているデータを最適に収集するために、FDA は、問題指向獣医医療記録 (POVMR) または同等のものなど、獣医学における現在の記録管理基準に従うことを推奨する。49 加えて、これらの記録は、データ入力を最適化するためのすべての主要な支援担当者が着実に利用できる必要がある。
(4) 予期せぬ罹患と死亡
すべての動物の病気と予期せぬ死あるいは早期の死については、因果関係に関して評価し文書化することを、FDAは推奨する。 評価には、術後、中間期、終末期における臨床病理学、肉眼的病理学、組織病理学、およびその他の指示された診断方法のすべてを含める必要がある。 有害イベントが機器に、直接的であれ、間接的であれ、関連しているかどうかについてなされた事象の裏付けとなる合理的な根拠を徹底的に説明する必要がある。 獣医学的な臨床上の転帰を説明する試験責任者、試験責任者が指名する者、またはこれらのコンサルタントによってなされた遡及的な証言や声明については、適切な記録や報告書によって裏付ける必要がある。 予定外の死亡が発生した場合、死因を裏付ける情報を提供するために、適時(たとえば、組織分解を最小限に抑えるために 24 時間以内に)、動物の完全な剖検を実施することをFDA は推奨する。
C. 死後評価方法
死後評価方法は、機器のin situでの位置かつ/または機器が取り出された後を視覚化するのと同様に、検査の特徴を明らかにし、組織反応を制御するために重要である。 以下に説明する評価方法は、すべての試験に適切または十分であるとは限らない。 検査、分析、測定を含む計画された評価は、計画書に文書化する必要がある。50
(1) 死後画像化
画像化手法は、移動、安定性 (空間的位置など)、かつ/または構造的完全性のような機器の安全性パラメーターを評価するのに役立つ。 剖検の前に、機器のin situ評価は、機器の安全性の評価に役立つ可能性があり、計画書を作成するときに考慮する必要がある。 画像化は、取り出した機器の構造的完全性を評価するのにも役立つ場合がある。 一部の医療機器 (埋植された機器など) の表面特性の評価は、安全性を評価する重要な方法となる可能性がある。FDAは、そうあるべき場合には、動物から摘出した後に走査型電子顕微鏡を使用し、埋植機器の表面の特徴を調べることを推奨する。
(2) 剖検および肉眼的組織評価
FDA は、機器または処置の結果である可能性のあるすべての異常所見も特定し、説明するために、試験に登録されたすべての動物に対して、認定資格を持つ獣医学的病理学者が包括的で体系的な剖検 51 を実施することを推奨する。 これは、個々の動物から得られる情報を最大化するのに役立ち、そして、交絡的な結果を特定して原因を特定の所見に帰結させることに役立つ。 FDAは、死因を裏付ける情報を提供するために、その動物について、適時、完全な剖検を実施することを推奨する。 解剖を控えている死亡動物は、氷晶形成による変化を避けるために、冷凍ではなく冷蔵する必要がある。
適切な組織サンプリング/トリミングの指示には、肉眼的観察が必要である。 FDA は、各動物から無作為で代表的な組織を確実にサンプリングできるように、組織の切片作成のプロセスと合理的根拠に関する説明を、計画書に記載するよう推奨する。試験担当者は、顕微鏡検査のための肉眼組織のサンプリングにおける正確で客観的なプロセスを保証するために、十分な訓練と経験を持っている必要がある。52 すべての異常所見および代表的な対応する正常組織を含む肉眼組織の高品質のカラー写真を撮影する必要がある。 識別を容易にするために、すべての肉眼画像には、動物識別子 (ID)、試験群 ID、サイズ マーカー、および日付のラベルを付ける必要がある。 特定の観察を強調するために、画像に矢印またはその他の識別マークが付せてあると役に立つ。
(3) 組織学的評価
機器に対する組織反応の適切な解釈は、臨床データがない場合は特に、FDA の安全性評価にとって重要である。 組織の合理的な評価を可能にするために、組織は適切に切片化され、検査される必要がある。機器によって直接的および間接的に影響を受ける可能性のあるすべての組織に対して組織学的検査を行うことを、FDA は推奨する。 たとえば、機器自体またはその動作(焼灼装置など)により、機器が塞栓(つまり、微粒子または血小板栓塞)を形成するようであれば、組織学者は、腎臓、 肺、心臓、脳、冠状動脈のような影響を受けやすい組織については完全な組織学的検査を行う必要がある。組織学者は、各スライドの高解像度のラベル付きカラー顕微鏡写真を最終試験報告書に含める必要がある。
試験施設には、組織学的分析用に組織を調製する方法を開発および実行する際には、経験豊富で認定資格獣医師かつ/または病理医の専門知識を求める必要がある。 FDA はまた、組織反応の観察結果をスコアリングおよび分析するために事前に特定しておいた客観的な方法を開発しておくことも推奨する。 炎症、血管新生、石灰化、プロテオグリカン/コラーゲン、フィブリン/血栓のような特定の評価を適切に考慮する必要がある。 この点では、組織学等級付けシステムをさらに詳しく説明する病理学キーの使用が役立つ可能性がある。53,54
D. 検査および対照品の特性評価
FDA は、IDE または販売承認が FDA から要求される前、開発プロセス中に、医療機器が何度も改良されるという事態がたびたび発生していると認識している。 FDA は、動物試験では可能な限り最終(完成) 形の機器を使用することを推奨する。 これによって、最終形の機器の安全性を評価するために、試験データを最適に解釈できることが保証される。 最終形の機器デザインが動物試験で用いられなかった場合、スポンサーは、検査された機器と最終形の機器デザインとの間のすべての違いを特定し、これらの違いが試験結果に影響を与えるとは考えられない理由を説明する必要がある。 さらに、スポンサーは、動物試験で評価されたデザインと比較して、最終形の臨床機器のデザインが新たなリスクを示さない理由を正当化する必要がある。
機器が付属品と組み合わせて使用されることを意図している場合、スポンサーはこれらを試験計画書に記載する必要がある。 試験計画書には、動物試験で使用される付属品がある際(もしあれば)、どの付属品が試験対象の医療機器とは切り離して提供することを意図しているのか(つまり、市販されるのか)と、機器と一緒に販売されることが予想される付属品(つまり、機器・システム)を明確に記載する必要がある。 FDA は、動物試験で使用される(検査に使う)付属品も最終完成形であることを推奨する。
医療機器は、最終完成形の機器と同じ方法で梱包、滅菌し、試験施設に輸送する必要がある。 スポンサーは、製造または調達から最終使用まで検査用および対照用の機器を追跡する方法を開発し、それに従う必要がある。55
VII. 試験施設の選択
試験施設は動物試験の結果に大きく影響する可能性がある。スポンサーは、選択した試験施設が実験動物の住居、ケア、輸送に関連するすべての適用される規制を遵守していることを確認しなければならない。56,57,58 FDAは、試験結果に悪影響を及ぼす可能性のある交絡因子を最小化するため、実験動物の福祉を含む公表されたガイドラインを参照することをスポンサーに推奨する。59,60 参照指針には最低限の住居、飼育管理の基準、社会的および環境エンリッチメント、および適時に十分な獣医学的ケアに関する標準操作手順書の作成について記載がある。
さらに、FDAは試験施設の選択にあたっては、スポンサーが動物試験のデザインを慎重に検討することを推奨する。提案された動物試験のデザインが複雑な場合、ヒト臨床と同等の施設とスタッフを使うことが高品質の試験結果を保証することになるであろう。スポンサーは、試験施設が実験を実施するための適切な設備、資材、および適切な訓練(医療機器に関する訓練を含む)を受けた十分なスタッフがいることを確認すべきである。例えば、ある動物試験では、高度な画像診断や集中ケア処置が必要とされる場合もある。また、患者が集中ケア・ユニットで受ける臨床ケアと同様に、24時間年中無休でのスタッフ配置を含む、高度な処置後のモニタリングとケアが必要とされる場合もある。
FDAはGLP基準の遵守に関して、試験施設にライセンスや認証を与えることはない。GLP基準で動物試験を実施する試験施設は、21 CFR Part 58およびその他の適用基準に準拠しなければならない。また21 CFR 58.15に従い、試験施設は権限を与えられたFDA職員が合理的な時間に合理的な方法で、GLP基準での動物試験を維持するために、施設とすべての記録および標本を調査することを受け入れなければならない。
VIII. 動物飼養
試験施設は、動物種、検疫動物および試験系の適切な分離を保証するために、十分な動物の入る場所が必要である。61 スポンサーは、予測される一定の亜急性期において、動物試験手順に集中ケアが必要と判断する場合がある。このような場合、FDAは試験施設には個々の動物に適切なモニタリングおよび治療を可能にする回復室または囲いへのアクセスを含めることを推奨する。
FDAは処置後のモニタリング期間以外では、ストレスを軽減するために可能な限り同じ動物種の群飼育を推奨する。しかし、環境条件は試験の評価を妨げるものであってはならない。仲間による飼料および飲水への不注意によるアクセス制限に起因する体重減少を最小限に抑えるために、群飼育された動物のいじめや縄張り争いによるストレスを監視すべきである。すべての動物が飼料や飲水、動物種に適した休息場所、動物種に特有のエンリッチメント(おもちゃやおやつ)などの資源に十分にアクセスできるようにすべきである。FDAは十分な遊びと運動が動物福祉にとって重要であるとの認識が高まっていることを特筆しておく。62,63
A.動物検疫と馴致
動物は試験の目的あるいは実施を侵害するかもしれない疾病ないし状態を持つ動物を排除することができるようにするため、試験開始全に検疫ないし馴致のための十分な時間を持たせるべきである。65 疾病の程度の背景は試験データを逆に侵害する可能性があり、最小限とすべきである。例として、外科的ストレスないし密度の高い飼養により発症することを惹起するような潜在的感染症を持っているかもしれない。FDAは試験期間中にストレスを最小とするために社会化プログラムを開始することを推奨する。取扱者に慣れておくとは背景のストレスを減少させ、試験結果に影響するような追加の混乱要素を減少させる可能性を秘めている。
B.飼料、飲水及び基本的飼育
試験施設は飼養(外注対策)、給餌、取り扱い、および動物のケアに関する標準実施手順を持っていなければならない。66 試験結果に影響するような汚染物質が飼料ないし/あるいは飲水中に存在することが妥当性をもって推測されるときには、試験計画中にその限界を記載し、適切な試験プログラムを記述すべきである。
時として慢性試験に大動物が繰り入れられ、それらがその飼料の一部として、開放系の牧草で育てられたような、より典型的な畜産状況からはこびこまれることもある。こうした場合では、試験施設は動物の栄養要求が満たされ、牧草が上手に維持できていることを確認すべきである。試験のタイプと期間にもよるが、動物健康問題に起因する試験結果の侵害可能性を避けるための、糞便寄生虫チェックやボディコンディションスコアリングを含む日常健康チェックに関しては、畜産的状況で飼養された動物が有利である。
IX. 記録と報告
IX. 記録と報告
最終試験報告書は動物試験のためには作成されなければならず、最終試験報告書への、どのような修正または追加も、試験責任者による報告書修正の形式でなされなければならない。67 FDA が動物安全性試験を最も効率的に評価できるように、試験責任者が動物の記録と報告書を作成することを、FDA は推奨する。
FDA は、生データ68 のコピーをインデックス付きの二次添付文書として最終報告書に含めることを推奨する (付録 A – 最終試験報告書の構成例)。 これらには、必要に応じて以下を含める。
- 統計分析に使用されるデータ。
- 症例報告書のコピー。
- 個々の動物の医療記録のコピー。
- 各検体の試験機関の標準範囲を含むすべての臨床病理報告書。および
- すべての画像のコピー (肉眼、顕微鏡写真、血管造影、レントゲン写真、CT、磁気共鳴画像法 (MRI) など)。
FDA は、動物モデルの詳細な正当性を試験報告とともに提供することを推奨する。 この正当化には、動物モデルの選択の根拠と、このモデルを裏付ける科学的証拠の簡単なレビューを含める必要がある。 動物モデルが確立されていない場合、または動物モデルの用途が限られている場合、動物モデルの選択には、解剖学的および生理学的な違いの考慮と、動物モデルの制限の詳細な説明を含める必要がある。
最終報告書には、すべての検体、生データ、および最終報告書が保存される場所が含まれていなければならない。69 FDAもすべての観察記録を残すことを推奨する。これは、イベントを正確に捉えるのに役立ち、試験対象間の観察間の差異の評価に役立つ。
さらに、動物試験の結果として生成されたすべての生データ、文書、計画書、最終報告書、および標本 (特定の例外を除く) を保持する必要がある。70 FDA は、最終報告書で報告された試験結果に応じて、市販前審査プロセス中に追加の生データのコピー71 を要求する場合がある。
X. 医療機器の市販前申請のための動物試験報告書の作成
市販前申請を準備する際、スポンサーがパフォーマンスや取り扱い方を含む、機器の安全性を実証するために実施された動物試験の概要を含めることを、FDA は推奨する。 一連の試験が実施された場合、スポンサーは動物試験が機器の開発と最終的な機器のデザインに及ぼす影響について説明する必要がある。 スポンサーは、動物試験中に実施されたすべての機器のデザイン変更についても説明する必要がある。 最後に、スポンサーは、動物モデルに対応するために行われた機器デザインの変更について説明し、正当化する必要がある。 可能な限り、FDA の市販前申請には、ブックマークおよびリンクをつけた PDF ファイルを使用することを勧める。
動物試験が 21 CFR Part 58 に準拠して実施されなかった場合、FDA は、試験が GLP 規則に準拠しなかった理由を説明する声明を申請に含めることを推奨する。規制からのすべての逸脱についても同様である。 FDA は、 “試験を再構築”し、“交絡変数を説明”し、“信頼できる完全な検査データが収集され報告”されたことをFDAが示すのに役立つ情報を声明に含めることを推奨する。
複数の動物試験が提出されている場合、FDA はスポンサーが動物試験を年代順に示すことを推奨する。そうすることで、FDA が最初の試験から最後の試験まで機器のデザイン履歴と in vivo での安全性プロファイルをたどれる。 各々の最終試験報告書には、各補足報告書 (例えば、生存期間中の獣医師による報告書、病理報告書)をリストした目次、そして、条件が当てはまるような場合には、生データのコピーを含める必要がある。 規制当局提出用の動物試験報告書目次のテンプレート例は、付録 A に記載されている。
以下のリストは、推奨および必須コンテンツの最終報告書の構成例として用意した。72
A. エグゼクティブ サマリー
このサマリーには、各動物試験に関する次の情報も含める必要がある。
- 動物モデルの合理的根拠。
- 試験に影響を与えた可能性のある動物モデルとヒトの間のすべての差異。および
- 使用した具体的動物試験方法論。
FDA は、試験段階を通じて動物の個々のパラメーターをFDAが追跡できるように、各試験用に表を提供することを推奨する。 この表には、次の情報が含まれている必要がある。
- 固有の動物 ID (例: USDA、機関/試験施設、研究コホート)。
- 試験サブグループへの割り当て。
- 条件が当てはまるような場合には、各試験グループのエンドポイント。
- 各グループの動物の数。
- 試験期間。
- 機器デザインの繰り返し。
- 実施された処置のタイプ。
- 各動物の運命または処分。および
- 試験結果の要約。
動物が個々の USDA ID で購入されたが、機関 ID で識別され、さらにグループ ID で表記された場合、どの試験またはどの対照群の動物とつながっているのかが追えるように、この情報は報告書に明確に説明、提示される必要がある。
B. 最終試験報告書
各動物試験には、試験責任者によって署名と日付が記入された最終報告書が必要である。73 各動物試験の最終報告書は、GLP規制に特化した情報を含んでいなければならない。データの品質または完全性に影響を与えたかもしれないすべての条件についての記述を含んでいなければならないが、これに限定されたものではない。74 署名され、日付が記入された試験計画書への変更は、修正として報告され、最終試験報告書に添付されなければならない。75
報告書には、試験期間中に検査が行われ、管理者と試験責任者に報告された日付とフェーズを特定する品質保証声明が含まれていなければならない。76 これは、試験が計画書に従って実施され、その結果、方法、手順、生データの記録、報告は真実かつ正確であり、施設、機器、人員、方法、慣行、記録、および管理がGLP 規則に準拠しているというドキュメントを提供するのに役立つ。77
最終試験報告書には、試験に関与した個々の科学者や専門家の署名と日付が記入された報告書も含まれていなければならない。78 以下の項ではよく含まれる、試験に関連する他の専門家からの報告に関する推奨事項を提供する。
(1) 生存中の獣医師報告書
動物試験の利点の 1 つは、機器や手順に対する臨床反応を評価する機会になるということである。 試験動物は、管理された環境で維持され、生存中の観察が容易である。 対照的に、臨床試験の環境は制御が難しく、追跡データの損失につながる可能性がある。 したがって、FDA は、最終試験報告書に、試験に登録された各動物のすべての重要なイベントを要約した試験獣医師からの生存中報告書を含めることを推奨する。 報告書には、獣医学的ケアの提供を含め、標準的な POVMR 形式で維持されている個々の動物の医療記録のコピーを含める必要がある。
(2) 病理報告書
病理報告書は、関連する組織の変化と試験の文脈におけるそれらの解釈に関する病理学者の最善の判断を示したものである。 病理報告書には、各動物/組織の肉眼的病理学的所見と組織病理学的所見を関連付ける表を含める必要がある。 観察されたすべての有害な組織所見を陳述し解釈する記述を含める必要がある。 病理学者は、何らかの酌量すべき状況 (例えば、併発疾患) との関連性を含め、肉眼的病理学的データ、組織病理学的データ、および生存中の評価からの適切な情報を用いて、有害な転帰が機器に関連しているかどうかに関する記述を正当化する必要がある。
FDA は、病理学者が、組織を採取するために用いた標準的でない方法、および固定、切り出し、ならびに染色の方法について説明することを推奨する。79 病理学者は、組織のタイプや装置の向きが適宜確認できるように、切り出しの方法を記載する必要がある。図は、装置の位置や組織学のために装置をどのように区分けしたかを示すのに必に役立つ。
病理報告書には、すべての試験群の動物と対照動物について、すべての異常所見とそれに対応する正常組織の高解像度で・適切な明るさで・カラーで撮影された肉眼観察下および顕微鏡下の画像を含める必要がある。 肉眼観察下と顕微鏡下の写真には、最小限の動物 ID、試験グループ ID、サイズ マーカーおよび日付を付す必要がある。 すべての顕微鏡写真には、組織切片、倍率、スケール、染色およびその他の重要な識別子も示す必要がある。 添付の凡例は、組織の病理学的変化を完全に説明する必要がある。
(3) その他の報告書・様式
試験の性質によっては、最終試験報告書には、関わった科学者が署名と日付を記入した、その他すべての報告書も含める必要がある。 例えば、臨床病理学、放射線学、またはその他の形式の画像処理、および行動観察試験も含まれるが、これらに限定されない。 臨床病理学的報告書では、検査を実施した検査室、検査室の参照範囲値、および各動物の臨床病理学的データを特定する必要がある。 動物および時点ごとの臨床病理学的結果を提示し、それに実験室の参照範囲を組み込んでいる表は、FDA がより大きなデータセットを解釈するのに役立つ。 該当する場合には、試験結果の解釈を助けるために、FDA は、スポンサーに対して、記入済みの症例報告フォームおよび最終試験報告書の手術/麻酔モニタリングフォームのコピーを提供することを推奨する。
試験責任者は、報告書に動物のソースが詳述されていることを確認する必要がある。
さらに、最終試験報告書には、試験開始前に動物実験委員会 (IACUC)80 によって計画書が承認されたことを示す文書、または、米国外で実施された場合は、同等の承認された計画書を含める必要がある。
付録A 最終動物試験報告書の記載例
以下のリストは、最終報告書の構成の一例となることを意図して作成されている。この例には、21 CFR 58.185 に規定されたすべての要件が含まれているわけではない。 21 CFR Part 58 に規定された報告書記載要件に準拠するために必要な要件の詳細については、21 CFR 58.120 および 21 CFR 58.185 を参照する。
I 各動物試験報告書には、以下の項目を記載したカバーシートを付ける。
A. 表題
B. 報告書の各識別番号(該当するものが存在する場合):
1. 動物実験委員会/倫理委員会による試験計画書の審査番号
2. 試験責任者による試験番号
3. 試験施設による試験計画番号(該当するものが存在する場合)
C. 以下に挙げた連絡先の情報(住所、番地、市、州、国、および各連絡先の郵便番号):
1. スポンサー
2. スポンサーの担当者(スポンサーと異なる場合)
D. 試験施設の名称及び所在地
E. 試験開始日と終了日
F. 最終報告書への署名(署名日を含む):
1. 試験責任者
2. 品質保証ユニット
3. 試験の主な担当者
II. 目次 (できればハイパーリンクさせる)
Ⅲ. 略語と定義のリスト
IV. 以下を含む、承認済みの試験計画書のコピー:
A. GLPに準拠した最終的な試験計画書
B. 動物実験委員会によって承認済の試験計画書と承認関連文書(GLP に準拠した最終的な試験計画書と異なる場合)
V. 以下の内容を含む最終試験報告書:
A. 動物試験の概要/要旨:
B. 報告書の本文
1. 試験の目的及び評価内容と合格基準
2. 試験を実施した日付
3. 動物モデル及び登録動物数
4. 試験試料および対照材料の特性評価:
a. 評価した機器デザインのバージョンすなわち、試験に用いたバージョンの試験試料と、ヒトに臨床使用することを目標としている最終バージョンの医療機器とのデザインの比較
b. 参照されるシリアル番号又は型式番号
5. 外科的/処置的アプローチと技術、画像処理、動物モニタリング、健康カウンセリング(該当するものが存在する場合)、剖検、および必要に応じて組織学検査を含む、使用した方法の説明
6. 試験計画からのずれと修正
7. 解析に使用された統計学的手法
8. 目的別に集計した試験結果
a. システム/機器の互換性を含む導入/手順の結果
b. 動物が機器に及ぼす影響(構造的完全性など)
c. 試験試料に対する生物学的(生理学的)反応
d. 画像
e. 有害イベント
9. 結論:
a. 対照材料群との比較
b. 基準への適合性
c. 試験の限界についての議論
C. 報告書の品質保証に関する声明
VI. インデックスを付けた添付ファイル(該当するものが存在する場合):
A. 試験の結論を導き出すために使用された生データと個々の報告書のコピー
B. 試験に従事した科学者(カウンセラー、外科医、放射線科の医師、臨床獣医師、臨床病理学者、病理学者、神経/行動学者など)による、署名と日付が入った報告
C. 初期値および中間結果を含む動物の医療記録
D. 手術および麻酔のモニタリングの記録
E. 画像記録
F. 臨床病理学検査の結果と許容基準
G. 記入済みの症例報告
H. 動物販売業者の検査記録/請求書
文献(脚注内)
文献(脚注内)
1) このガイダンスは非臨床in vivo試験への適合を目的としており、動物の野外試験への適合は目的としていない。 CFR 58.3(d) 参照.
2) 21 CFR 58 参照。21 CFR 58は医療機器の製造承認申請に際し、添付される資料に係わる非臨床試験において、適正に試験を実施するための基準(Good Laboratory Practice)のアウトラインを示している。このガイダンス文書においては21 CFR 58 を “GLP 規則.”と参照する。
3) 21 CFR 58.1(a). 参照
4) このガイダンス文書において、「取扱い」とは医療機器又は医療機器システムが、オペレーターの操作(挿入や展開、放射線防御、追跡、操縦、回収)に対応する方法と定義される。
5) 21 CFR 820.30 は設計の検証と妥当性確認における要件についてのアウトラインである。
6) 追加情報については “医療機器提出資料に関するフィードバックと会議の要求、Q-Submission Program、FDAスタッフ及び業界を対象としたガイダンス ”Requests for Feedback and Meetings for Medical Device Submissions: The Q-Submission Program, Guidance for Industry and Food and Drug Administration Staff,” から入手可能。URLは https://www.fda.gov/regulatory-information/search-fda-guidance-documents/requests-feedback-and-meetings-medical-device-submissions-q-submission-programである。
7) 試験施設の定義については、21 CFR 58.3(g) 参照
8) FDAにおける新しい代替手法の推進“Advancing New Alternative Methodologies at FDA,” https://www.fda.gov/media/144891/download から入手可能
9) Russell WMS, Burch, RL.: 人道的な実験技術の原則.メシュエン&カンパニー (ロンドン、英国) 1959年. 動物福祉大学連盟提供の特別版(1992年)を http://altweb.jhsph.edu/pubs/books/humane_exp/het-toc から入手可能【30,56,64と同一文献】
10) “動物利用の代替(3Rs)”, https://www.nal.usda.gov/animal-health-and-welfare/animal-use-alternatives#:~:text=The%20%E2%80%9C3Rs%20alternatives%E2%80%9D%20refers%20to,Principles%20of%20Humane%20Experimental%20Technique%22 から入手可能
11) 動物試験の代替法候補に関しては、FDAの医療機器開発ツール(MDDT)に関するwebpage ( https://www.fda.gov/medical-devices/science-and-research-medical-devices/medical-device-development-tools-mddt ) を参照。
12) 21 CFR 58.120. 参照
13) 7 U.S.C. § 2131–59. 参照
14) 9 CFR Parts 1–4. 参照
15) 保健研究拡大法:1985年公法 99–158, 99 Stat. 820 (Nov. 20, 1985).
16) アメリカ合衆国保健福祉省国立保健研究所(NIH)実験動物福祉局: 実験動物の人道的ケアと使用に関する公衆衛生サービスの方針 “Public health service policy on humane care and use of laboratory animals.” 2015年 https://grants.nih.gov/grants/olaw/references/phspolicylabanimals.pdf から入手可能【32と同一文献】
17) 米国アカデミー米国研究協議会(NRC)(2011年).実験動物の管理と使用に関する指針(第8版)、URL: https://grants.nih.gov/grants/olaw/guide-for-the-care-and-use-of-laboratory-animals.pdf から入手可能
18) FDA Guidance for Industry (2007). Good Laboratory Practices – Questions and Answers. https://www.fda.gov/media/75866/download から入手可能
19) FDA MOU 225-16-010. https://www.fda.gov/about-fda/domestic-mous/mou-225-16-010 から入手可能
20) 参照のためこのガイダンスでは“animal safety studies.(動物安全性試験)”とする。
21) 67 FRの37988頁 (2002年5月31日) 参照、医薬品および生物製剤の市販前審査のために提出される動物試験の成績も、このガイダンスの適応範囲外である。【A Rule by the FDA on 05/31/2002 New drug and biological drug products; Evidence Needed to Demonstrate Effectiveness of New Drugs When Human Efficacy Studies Are Not Ethical of Feasible.】
22) 例示としてISO 14971: 医療機器におけるリスクマネジメントの国際規格等がある。
23) FDA MAUDE Database. https://www.accessdata.fda.gov/scripts/cdrh/cfdocs/cfMAUDE/search.CFM からonlineで入手可能。
24) 最小負担条項:概念と原則 “The Least Burdensome Provisions: Concept and Principles” FDAスタッフ及び業界を対象としたガイダンス。 https://www.fda.gov/regulatory-information/search-fda-guidance-documents/least-burdensome-provisions-concept-and-principles から入手可能。
25) 21 CFR 58.3(m) に従い、試験責任者とは非臨床試験の全体的実施に責任を負う個人を意味する。
26) 21 CFR 58.31(a). 参照
27) 21 CFR 58.33. 参照
28) 21 CFR 58.35. 参照
29) 21 CFR 58.29 及び9 CFR 2.31参照。これらのガイドラインではUSDA認可施設に対し、動物試験プログラムを監督する動物実験委員会(Institutional Animal Care and Use Committee, IACUC)を任命することが求められている。
30) Russell WMS, Burch, RL.: 人道的な実験技術の原則.メシュエン&カンパニー (ロンドン、英国) 1959年. 動物福祉大学連盟提供の特別版(1992年)を http://altweb.jhsph.edu/pubs/books/humane_exp/het-toc から入手可能(訳注:9,56,64と同一文献)
31) 9 CFR Parts 1–3. 参照
32) アメリカ合衆国保健福祉省国立保健研究所(NIH)実験動物福祉局: 実験動物の人道的ケアと使用に関する公衆衛生サービスの方針 “Public health service policy on humane care and use of laboratory animals.” 2015年 https://grants.nih.gov/grants/olaw/references/phspolicylabanimals.pdf から入手可能(訳注:16と同一文献)
33) FDA MOU 225-16-010参照.( https://www.fda.gov/about-fda/domestic-mous/mou-225-16-010 )から入手可能
34) 21 CFR 58.29. 参照
35) 21 CFR 58.120(a). 参照
36) 21 CFR 58.120(a)–(b). 参照
37) 21 CFR 58.120(a). 参照
38) 21 CFR 58.120(a)(6) 参照
39) Michel, K. D., Sorenmo, K., Shofer, F. S.: 獣医腫瘍科を受診したイヌの状態と体重推移の評価 ”Evaluation of body condition and weight loss in dogs presented to a veterinary oncology service”. Journal of Veterinary Internal Medicine, 13巻 (5号) 2004年, 692-5頁.
40) 追加情報は「Q-Submission ガイダンス」のwebpage ( https://www.fda.gov/regulatory-information/search-fda-guidance-documents/requests-feedback-and-meetings-medical-device-submissions-q-submission-program ) から入手可能
41) 探索的検討により、ばらつきを特定し推定するための別の手段が提供され、多くの場合、研究デザインを計画するための重要な情報と、有効な結果を得るために最適なサンプルサイズを得ることができる。
42) ACLAMによる再現性に関する意見表明. 米国実験動物科学協会ジャーナル, 55巻(6号)、2016年, 824頁-825頁(訳注:47と同じ文献826-828は誤植の可能性がある)
43) Snedecor, G. W. & Cochran, W. G.: 統計的手法 (第8版). アイオワ州立大学(アイオワ州エイムズ)1990年(訳注:48と同じ文献)
44) 9 CFR 2.31(d)(iv). 参照
45) DeMaraco G. J. & Pascoe, P. J.: 解剖学、生理学への疼痛の影響 ”Anatomy, physiology, and effects of pain.” In R. E. Fish, M. J. Brown, P. J. Danneman, & A. Z. Karas (編集), 実験動物の麻酔と鎮痛 “Anesthesia and analgesia in laboratory animals“ (第2版, 3-25頁). 2008年, アカデミックプレス(マサチューセッツ州、バーリントン)
46) 9 CFR 2.31(d)(ix) 参照
47) ACLAMによる再現性に関する意見表明.: 米国実験動物科学協会ジャーナル, 55巻(6号)、2016年, 824頁-825頁(訳注:42と同じ文献)
48) Snedecor, G. W. & Cochran, W. G.: 統計的手法 (第8版). アイオワ州立大学(アイオワ州エイムズ)1990年(訳注:43と同じ文献。文献47とも身体的スコアリングには触れられていないようであり誤植の可能性がある)
49) Saidla, J. F.: 問題指向の獣医医療記録 ”Problem-oriented veterinary medical record”. In S. J. Ettinger & E. C. Feldman (編), 獣医内科学教本(第2版、第1巻):イヌ及びネコの疾患。 ”Textbook of veterinary internal medicine: Diseases of the dog and cat.” 1983年 W.Bサンダース(フィラデルフィア、ペンシルバニア)
50) 21 CFR 58.120(a)(9) 参照
51) King, J. M., Roth-Johnson, L., Dodd, D. C., & Newsom, M. E.: 解剖書:獣医学生、研修医、臨床医、病理学者及び生物学者のためのガイド。”The necropsy book: A guide for veterinary students, residents, clinicians, pathologists, and biological researchers.” 2013年。https://ecommons.cornell.edu/bitstream/handle/1813/37948/King_John_Necropsy_Book_10Mar16.pdf?sequence=5&isAllowed=y” より入手可能
52) Crissman, J. W., Goodman, D. G., Hildebrandt, P. K., Maronpot, R. R., Prater, D. A., Riley, J. H., Thake, D. C.: 最良実践ガイドライン:毒性組織病理学 “Best practices guideline: Toxicologic histopathology.” Toxicologic Pathology, 32巻(1号) 2004年, 126頁-131頁.
53) ANSI/AAMI/ISO 10993-6: 医療機器の生物学的安全性試験, 第6部: 埋植試験.
54) Gibson-Corley, K. N., Olivier, A. K., & Meyerholz, D. K.: 試験において有効な病理組織学的スコアリングの原則 ”Principles for valid histopathologic scoring in research.” Veterinary Pathology, 50巻 (6号) 2013年, 1007頁-1015頁.
55) 21 CFR 58.107. 参照
56) Russell WMS, Burch, RL.: 人道的な実験技術の原則.メシュエン&カンパニー (ロンドン、英国) 1959年. 動物福祉大学連盟(UFAW)提供の特別版(1992年)を http://altweb.jhsph.edu/pubs/books/humane_exp/het-toc から入手可能(訳注:9,30,64と同一文献)
57) FDA MOU 225-16-010.
https://www.fda.gov/about-fda/domestic-mous/mou-225-16-010 から入手可能
58) 米国研究協議会(NRC)、 国立アカデミー研究所.: 実験動物の人道的輸送に関する指針 ”Guidelines for the humane transportation of laboratory animals”. ナショナルアカデミープレス(ワシントンDC)2006年. http://www.nap.edu/openbook.php?record_id=11557&page=R1 より入手可能(訳注:60と同一文献)
59) Reinhart, V. & Reinhart A.: 実験動物の至適環境 ”Comfortable quarters for laboratory animals” (第10版). 動物福祉研究所(ワシントンDC)2002年 (訳注:URL追記 https://awionline.org/sites/default/files/publication/digital_download/AWI-ComfortableQuarters-2015.pdf)
60) 米国研究協議会(NRC)、 国立アカデミー研究所.: 実験動物の人道的輸送に関する指針 ”Guidelines for the humane transportation of laboratory animals”. ナショナルアカデミープレス(ワシントンDC)2006年. http://www.nap.edu/openbook.php?record_id=11557&page=R1 より入手可能 (訳注:58と同一文献)
61) 21 CFR 58.43. 参照
62) 9 CFR 3.8. 参照
63) Menor-Campos, D., Molleda-Carbonell, J., & Lopez-Rodriguez, R.: イヌの保護施設における運動及びヒトとの接触が、動物福祉に及ぼす影響 “Effects of exercise and human contact on animal welfare in a dog shelter.” Veterinary Record, 169巻(16号)388頁.2011年
64) Russell WMS, Burch, RL.: 人道的な実験技術の原則 ” The Principles of Humane Experimental Technique”.メシュエン&カンパニー (ロンドン、英国) 1959年. 動物福祉大学連盟(UFAW)提供の特別版(1992年)を http://altweb.jhsph.edu/pubs/books/humane_exp/het-tocから入手可能(訳注:9,30,56と同一文献)
65) 21 CFR 58.43及び21 CFR 58.90(c). 参照
66) 21 CFR 58.90. 参照
67) 21 CFR 58.185(a)–(c). 参照
68) 21 CFR 58.3(k) の記載に従えば、生データとは、非臨床試験における原観察結果あるいは臨床検査の結果で、試験報告書の再構築および評価に必要な、検査のワークシート、記録、メモ、ノート、またはそれらの正確なコピーを意味する。
69) 21 CFR 58.185(a)(13). 参照
70) 21 CFR 58.190(a). 参照
71) 21 CFR 58.3(k)に定義されている通り。
72) このアウトラインは21 CFR 58.185 で求められている要件を網羅しているわけではない。 21 CFR 58.185の報告書記載要件を網羅するために必要なコンテンツの詳細については、21 CFR 58.120 および 21 CFR 58.185 を参照の事。
73) 21 CFR 58.185(b). 参照
74) 21 CFR 58.185(a)(9). 参照
75) 21 CFR 58.120(b). 参照
76) 21 CFR 58.35(b)(7), 58.185(a)(14). 参照
77) 21 CFR 58.35(b)(1)–(7). 参照
78) 21 CFR 58.185(a)(12). 参照
79) Dettmeyer, R. 法医組織病理学:基礎と展望 ”Forensic histopathology: Fundamentals and perspectives.”.スプリンガー(ドイツ、ハイデルベルグ)2013年 (訳注:追記 https://link.springer.com/book/10.1007/978-3-319-77997-3 )
80) 9 CFR 2.31. 参照